理事長挨拶

21世紀は「環境の世紀」と言われて久しくなりました。人類がこの地球で健康で文化的な生活を営むことは、ある意味で開発行為が継続されることに繋がり、地球環境への負荷の問題を避けて通ることはできません。

地球環境保全の問題は、地球温暖化の影響とみられる極端な気象現象の頻発や、酸性雨問題、オゾン層破壊問題などにより、水不足の深刻化、農業への打撃、感染症の増加など今や地球規模的な脅威となって持続可能な社会を形成するには、自国内だけの対策では対応できなくなっているのが現状といえるでしょう。

これらのことから、我が国では、循環型社会形成推進基本法とその基本計画の策定、各種リサイクル法の制定など、循環型社会の形成を目指しています。

また、国際的な取り組みとして、持続可能な開発を目指した「アジェンダ21」に基づく行動計画の策定、「バーゼル条約」の批准、「京都議定書」の採択など、地球の環境保全に積極的に取り組んでいるところです。

これら一連の取り組みの中で、「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染防止に関する条約」の1996年議定書(ロンドン条約1996年議定書)により、国内法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律等)が改正され、平成19年1月、し尿及び浄化槽汚泥の海洋投入処分が原則禁止となる措置がとられました。

海洋投入処分禁止の措置は、海に囲まれた我が国が、海洋の汚染防止に積極的に関わっていることを全世界に示すもので、大いに評価できるものですが、同時に自然浄化を利用した比較的安全で、かつ、低コストの処理ができる大規模な最終処分場を失ったことを意味します。

このことは、これまで海洋投入処分に直接関わってきた我々業界にとっては、業務をどう転換していくか文字通り死活問題となったことは言うまでもありませんが、国民や一般廃棄物の処理責任者である各自治体にとっても、いかにして地球環境に負荷をかけない安全な処理を低コストで実現していくか大きな課題を残したものと言えます。

このような背景の中で時代の要請に応えるべく、「日本海洋処分業協同組合」は、平成17年5月に「日本廃棄物リサイクル事業協同組合」(日廃リ)として名称と組織改革を行い、新たに環境省の認可団体としてスタートしました。

この「日廃リ」の事業目的として、まず収集運搬から最終処分までの一貫体制の構築が挙げられます。これは、依頼された廃棄物の処理を収集から最終処分までの流れを明確にして、国民の信頼に応える適正処理の確保やリサイクルの実現であり、更に、処理困難な廃棄物を迅速かつ安全に受け入れるための体制の構築です。

次に、地域で活躍されている全国の収集・運搬、中間処理、最終処分の事業者の皆さまと連携し、各々が持つノウハウを生かし、情報を共有し、効率的でコストを抑えた廃棄物の処理や高度なリサイクル等の実現のため広域処理体制を構築することです。

そのような活動の中で、東日本大震災における災害廃棄物等の処理に関する支援活動に積極的に取り組んだことに対して、平成24年7月、環境大臣より感謝状をいただきました。また、環境省の補助を受け完成・稼働しているバイオマス発電施設を有する複合型リサイクルプラントの実績報告を環境大臣に行うなど、活動の情報提供に努めています。

このようなことから、「日廃リ」の理念・活動に対し高い評価をいただいており、これからも継続して更なる連携を図り、全国的な視点でその物流を捉え対応することが求められる使命であり、持続可能な開発の推進と循環型社会の実現に寄与するものと確信しています。

最後になりましたが、今後も組合員の事業所の皆さまが、ますます精進され、地域の廃棄物処理及びリサイクル産業の核として、地域のリーダーシップを取っていかれることを切に祈念いたしましてごあいさつとします。

日本廃棄物リサイクル事業協同組合

理事長 外間 広志